地球温暖化により海洋深層でも温暖化が報告されており、数値実験から南極周辺の深層水形成量の減少が北太平洋深層を昇温させるという説がある。深層循環弱化を明らかにするには、深海の微小な変化を検出する必要がある。現状の測定分解能よりも高い測定が期待される、屈折率密度センサーによる深海の海水密度の精密測定に、世界で初めて成功した。また、塩分測定用標準海水の認証値のずれを評価し補正することで、北太平洋深層の20年間の低塩分化トレンドの検出に初めて成功した。これらの成果は、深海環境変化のモニタリングに道を開くものである。
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