研究課題/領域番号 |
18K03756
|
研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
山中 寿朗 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (60343331)
|
研究分担者 |
川田 佳史 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(海底資源センター), 臨時研究補助員 (50402558)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 海底火山 / 火山活動モニタリング / 火山ガスフラックス / 地殻熱流量測定 |
研究実績の概要 |
2021年度は制限付きながら試料採集が鹿児島湾で2航海行われ、これで15年間の計測が継続的に行われてきたことになる。手石海丘においては1航海しか実施できず、海況不良のため海底に設置した温度計の回収には至らなかった。 鹿児島湾について、過去のデータを再検証し、6月と12月の各データを用いた二酸化炭素フラックスは、3月の鉛直混合期以降、試料採集時までの海水中の二酸化炭素蓄積量として求めてきたことについては6月のデータは多くで妥当と思われるものであったが、12月分については6月から12月までの増加量で見た際に、マイナスになるものがあることがある。このことから、フラックスとしては6月に採取した試料を使うことが望ましいことは従前より認識していたが、過去に現在より多くの地点で緻密なサンプリングを実施した際のデータを再検証した結果、台風などの影響で夏以降に底層の停滞した水塊であっても大きく動くことが推定されたため、同海域で過去に測定された深さごとの流向流速データを集積して気象データとの対比の必要性があることがわかった。 相模湾手石海丘については2年連続で試料採集が見送られたため、2018年度および2019年度に得られた底層水データのマンガン異常について年とともに変化しうるのか確認するに至らなかった。また、手石海丘火口凹地内の海水温変動を知るための温度計が回収できていないことから、これまでに測定した地温勾配データの補正がまだ未実施である点が残念であるが、2年間の計測値には大きな違いは見られず、比較的安定した温度構造があると言えるようである。
|