研究課題
物質の比誘電率計測を流体に適用する方法を確立し,実際の渓流においても渓流水中の土砂濃度を計測することができることを確かめた。これを土石流中の間隙流体の濃度計測に用いるために水路実験を行い,センサ形状や計測手法の改良を行った。土石流発生が見込まれる渓流に間隙流体を導流する装置および本手法を導入した現地観測を実施した結果,土石流の間隙流体の土砂濃度を計測することができた。本観測により土石流は約0.5-0.7の非常に高い土砂濃度を有することが明らかとなった。土石流中の細粒土砂の液相化について、水理実験で得た結果を基に無次元掃流力を指標として計算で液相密度を時間・空間的に考慮する手法を提案した。2018年に土石流が発生した渓流を調査して河床容積濃度や構成材料を検討した。河床容積濃度は、自然斜面の土層0.53-0.57と比較して、土石流堆積物は0.58-0.81と高く、粒度分布の幅が広いとより高い傾向を示した。河床条件が土石流に及ぼす影響を検討するために、水理実験で初期堆砂を考慮した堰堤の実験を行い、初期堆砂がある条件では河床が不飽和の方が飽和よりも土砂を堆積させることを示した。
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第10回土砂災害に関するシンポジウム論文集
巻: 10 ページ: 115-120
Journal of Hydrology
巻: 585 ページ: 124747~124747
10.1016/j.jhydrol.2020.124747