降雪粒子の物理量と降雪のかさ密度の相互関係に関しては、観測データを基に降雪のかさ密度を降雪粒子数濃度、粒径、落下速度、気温を用いて算出する式を導いた。この式は気象モデルでも使用できるものである。 降雪のかさ密度が変化する温湿度環境や卓越する雲物理過程の明確化に関しては、2高度での降雪粒子観測と地上遠隔測定観測の結果を用いた解析を行った。その結果、地上付近を落下する降雪のかさ密度の減少には、衝突併合プロセスが効いていることが推定された。一方、増加させるプロセスは統計的な解析では分からなかった。 降雪のかさ密度に変化を及ぼす雲物理過程の寄与率の明確化に関しては、詳細雲微物理モデルの開発を行った。まだ、実測値を再現できるレベルまで達していないが、上空の測定値を入力して落下中の降雪粒子の雲微物理量の変化を計算できるようになった。
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