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2018 年度 実施状況報告書

横ずれ活断層の極浅部三次元地下構造可視化に対する地中レーダ探査の適用

研究課題

研究課題/領域番号 18K03768
研究機関一般財団法人電力中央研究所

研究代表者

木村 治夫  一般財団法人電力中央研究所, 地球工学研究所, 主任研究員 (00723652)

研究分担者 堤 浩之  同志社大学, 理工学部, 教授 (60284428)
中西 利典  国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 核燃料・バックエンド研究開発部門 東濃地科学センター, 特定課題推進員 (10462582)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード活断層 / 横ずれ断層 / 地下構造 / 地中レーダ / 布田川断層帯 / 中央構造線活断層系 / 北伊豆断層帯 / 丹那断層
研究実績の概要

最近の大地震で破壊した明瞭な縦ずれ成分を含む横ずれ活断層の二次元地中レーダ探査を行い,有効な探査パラメタを検討した.また,得られた地下構造から変位量・変位速度等を議論した.
具体的にはまず,本研究で対象とする断層(2016年熊本地震の震源断層である布田川断層帯,および,横ずれ変位が非常に顕著である四国の中央構造線活断層系)の変動地形学的調査・地質情報の収集を行った上で,探査測線候補近傍のノイズ状況や電磁波の媒質としての地盤特性も考慮して探査測線を選定し,地中レーダ探査の現場作業を実施した.さらに,布田川断層帯において取得したデータについては,データ処理作業を行って地下断面を求め,地質学的解釈を施すことによって,活断層の地下形状をはじめとする諸性状を明らかにするとともに,地中レーダ探査の有効性について検討した.また,中央構造線活断層系で取得したデータについては,現在解析中である.
これらと並行して,本研究における浅層地盤構造調査の方法及び結果が適切なものであることを確認するために,前述した調査対象断層に加えて,他の国内の内陸活断層帯を対象とした既存データの再解析を行った.本年度は,1930年北伊豆地震震源域の北伊豆断層帯(丹那断層)や,1596年の慶長豊後地震の震源と推定されている別府-万年山断層帯などを対象とした.とくに北伊豆断層帯の丹那断層では横ずれ変位に着目した視点からデータ再処理を実施し,横ずれ変位の検出に成功した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

四国の中央構造線活断層系において取得したデータの解析作業にやや遅れが生じているが,北伊豆断層帯の丹那断層のデータ再解析の成果により研究手法の高度化は当初の計画以上に前進している.また,その他のほとんどの点では平成30年度の研究実施計画通りに進んでおり,これらを総合的に考慮すると,本研究の進捗状況はおおむね順調であると言える.

今後の研究の推進方策

当初の平成31年度(令和元年度)の研究実施計画通りに遂行すると共に,平成30年度に得られた上記課題を解決するために,下記を試みる.
1.四国の中央構造線活断層系において取得したデータの解析作業を加速する.
2.布田川断層帯や中央構造線活断層系や北伊豆断層帯で得られたこれまでの成果を元に,三次元探査に最適な候補地点を選定する.
3.上記で選定した候補地点において横ずれ断層を対象とした三次元探査を行い,有効な探査パラメタを検討する.また,得られる三次元地下地質構造から個々の地震に伴う変位量・変位速度を解明する.

次年度使用額が生じた理由

理由: 平成30年度のデータ処理作業の進捗について,当初の計画からやや遅れが生じたことにより,予算使用が想定よりも少なかったため.加えて,平成30年度後半に研究分担者に所属機関の異動が生じ,一部の予算使用を留保せざるを得なくなったため.
使用計画: やや遅れが生じたデータ処理作業を次年度に行う際に使用する予定である.また,研究分担者の所属機関の異動に伴い,現地調査・探査作業の分担割合の見直しと共に,謝金が必要となる作業協力者の増員についても検討し,それに伴って研究分担者への配分額も見直す.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Holocene activity of the Asamigawa fault detected from sediment cores and a ground-penetrating radar cross-section in the Beppu area, southwestern Japan2019

    • 著者名/発表者名
      Kimura Haruo、Nakanishi Toshimichi、Katsuki Kota、Hong Wan、Matsuyama Hisanori、Takemura Keiji
    • 雑誌名

      Quaternary International

      巻: 503 ページ: 87~96

    • DOI

      10.1016/j.quaint.2018.09.005

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 群列ボーリング調査と地中レーダ探査による伏在活断層の活動履歴の検討 -大分平野西部の府内断層の例-2019

    • 著者名/発表者名
      中西利典, 木村治夫, 松山尚典, Hong Wan, 堀川義之, 越後智雄, 北田奈緒子, 竹村恵二
    • 雑誌名

      第四紀研究

      巻: 58 ページ: 163~173

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2019-12-27  

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