研究課題/領域番号 |
18K03770
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
常松 佳恵 山形大学, 理学部, 准教授 (90722207)
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研究分担者 |
山田 大志 京都大学, 防災研究所, 助教 (60804896)
横尾 亮彦 京都大学, 理学研究科, 准教授 (70420403)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 火山岩塊 / 噴出速度 / 抵抗係数 / インパクトクレータ / 桜島 / 御嶽山 / 蔵王山 |
研究実績の概要 |
2020年度は主に過去の噴火における岩塊の飛散に関する分布の取得と、実際の噴火映像からの火砕物の速度の取得、そして実験の大きく分けて3つの手法で研究を進めた。 過去の噴火における岩塊の着地地点の分布に関しては、御嶽山2014年噴火で噴出した岩塊が作ったインパクトクレータを収集されたデータから取得する作業を行った。この作業により、合計で6000個のインパクトクレータの大きさと位置情報を取得することができた。また、以前行った蔵王山における1895年噴火の岩塊の分布調査についての論文化を試み、投稿することができた。これについては、現在論文の査読を受けて修正中である。 実際の噴火映像を用いた速度等の推定については、2020年6月4日に桜島で起きたやや規模の大きい爆発において噴出した岩塊の噴出速度等を推定する研究を行った。6月4日の噴火では岩塊が居住地の中まで達し、被害はなかったものの直径6メートルという大きなインパクトクレータを作成したため、防災的観点から噴火に対する対策を考える必要性が注目された。この件については京都大学防災研究所の発表会において発表し、読売新聞にも掲載された。また、1月の後半には桜島のハルタ山から桜島A火口の噴火をハイスピードカメラで記録する観測を行い、5日間の観測中、ハイスピードカメラで爆発を1回捉えることができた。この観測によって岩塊や噴煙の動きを追うことができたため、画像解析によって速度などを推定し、6月に行われる日本地球惑星科学連合の大会で発表する。 実験については、前年度から行ってきた空力に関する計測をさらに続けており、抵抗と揚力の測定ができたため、数値モデルに揚力の項を盛り込んだ。また、TrashCano実験を引き続き行い、これについては昨年7月に行われた日本地球惑星科学連合の大会で発表された。
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