研究課題
基盤研究(C)
火山構造性地震はマグマの貫入による周囲の岩石の応力変化よって引き起こされる脆性破壊によって発生する。マグマ貫入によって火山構造性地震が群発し,地殻変動が引き起こされる。地殻変動源の体積変化量と地震のモーメント(エネルギー)について経験式を導出し,火山性構造性地震の観測からマグマ貫入量の推定手段を構築した。また,マグマ貫入の一形態であるダイクの成長に伴う応力変化によって岩石の破壊強度を超えることにより,火山構造性地震の群発が浅部から深部へ進展していくことを明らかにした。
地球物理学
貫入したマグマの全てが噴火によって放出されるわけではないが,貫入マグマの量は放出しうるマグマ量の上限を規定する。噴火による放出量は災害の規模に関わるため,放出量の上限を事前に想定する意義がある。そのため,貫入マグマ量を推定することは重要であるが,地殻変動観測が不十分な発展途上国の火山であっても最低限は地震観測が行われているため,本研究成果の地震からのマグマ貫入量の推定手法の構築は意義がある。