上部マントル中の深さ300km付近にX‐不連続面の存在が報告されていて、その成因は明らかにすることが本研究課題のテーマである。そのために、我々が提案している「シリカ鉱物構造相転移」仮説を検証が目的であり、相転移圧力境界の精密決定を進めた。ターゲットとなるシリカの高圧相のコーサイトとスティショバイトの熱力学的安定領域を確認し、そのデータから相境界を見積もった。その結果は、深さ300kmでマントル中での断熱温度勾配を仮定した温度に相当する条件で、シリカ鉱物の相転移が起こることが確認された。このことは、「シリカ鉱物構造相転移」を支持するものである。
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