深さ数百kmで深発地震が発生するメカニズムは未だ明らかではなく、本研究の成果はその理解に貢献するものである。1つの説は、沈み込むプレート内に存在が提案される準安定オリビンの関与である。過去の根拠は東北日本に限定されていたが、本研究の成果は、世界の他の地域においても類似する物質の存在を示唆し、深発地震との一般的な関係につながるものである。また、この説では、オリビンの分解が起こる深さ以深で深発地震がないことを予測するが、本研究で新たにみつけた660km地震波不連続の複雑な構造は、深発地震の下限や位置が、オリビンの分解以外から影響を受けている可能性も含むものである。
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