大西洋を伝播するPo/So波を解析した結果、年代の若い大西洋中央海嶺付近ではPo/So波の伝播効率は著しく低く、また反対に年代の古い大西洋北西部を伝播するPo/So波の伝播効率は高いことがわかった。この特徴は年代が古くなるほど海洋リソスフェアの厚さが増し、かつ内部減衰が小さくなることで説明できることが波形モデリングで明らかになった。この結果は、太平洋での結果に調和的である。さらに、層状不均質構造の相関距離および散乱強度についても、太平洋と同程度の値であると推定された。このことは、当初の予想に反し、海洋リソスフェアの層状不均質構造の発達過程が拡大速度に依存しないことを示唆している。
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