研究課題/領域番号 |
18K03826
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
菅森 義晃 鳥取大学, 農学部, 講師 (10587356)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 超丹波帯 / Latentifistularia / 放散虫 / チャート |
研究実績の概要 |
集中的な調査を予定していた4月~5月に県外への出張が所属機関によって認められなかった.また,コロナ禍の自粛圧によって,出張を自粛した結果,数回しか調査ができず,野外での研究がほとんど進まなかった.ただし,わずかな調査回数であったが,いくつかチャート露頭を発見している. その替わり,すでに採取したが,放散虫化石の固体抽出が芳しくなかった試料について岩石薄片の作製・観察によって,放散虫化石の同定を試みた.岡山県の超丹波帯ないし超丹波帯に帰属する可能性のあるチャート試料について,検討した結果,岡山県南西部の超丹波帯に帰属する可能性のあるチャート試料から多数のLatentifistulariaを得ることができた.Latentifistulariaは石炭紀~ペルム紀に産出するグループであり,石炭紀ないしペルム紀のチャートであることが明らかとなった.先行研究では放散虫の同定までできていなかったため,重要な成果と思われる.岡山県西部のチャートからは新たに年代決定に有効な放散虫化石をえることはできなかった.これらの知見を踏まえ,他地域において,化学処理によって化石を抽出できなかった試料について薄片を作製し,放散虫化石の同定を行い,チャートの年代を決定できる可能性が出てきた. 2019年度に採取した斑レイ岩については,現状ではジルコンの含有を確認できていない.そのため,引き続き,ジルコンの抽出を試みる予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度はコロナ禍により出張ができず,地質調査および試料採取が進まなかった.
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍が早く収束することを祈り,野外調査に行けるような環境を国に構築されれば,京都府・兵庫県を中心に野外調査を行う.また,可能性は低くなるが,出張可能な地域の地質隊の検討を行うことで,研究課題に挑戦する.野外調査に行けない場合は,すでに採取した試料について,岩石薄片を作製し,観察することで,放散虫化石を同定し,チャートの年代を決定することをメインとして実施する.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染対策に伴い,出張が原則禁止されたため,十分な地質調査ができなかった. 地質調査に最適な季節がもう終わりかけているため,研究計画に遅れが生じているが,出張が可能になれば,地質調査を行いたい.研究期間の延長も視野に入れている.
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