タイ王国北部のスコタイ帯ランパン地域において,最上部ペルム系-中部三畳系の連続した炭酸塩岩サクセッションを調査し,P-T境界前後の有孔虫群集変遷,および下-中部三畳系の大量絶滅後の有孔虫群集の多様性回復過程を検討した.このうち下部三畳系においては,単純な殻形態をもち多様性の非常に低い有孔虫群集を伴う,マイクローブ-ピソイドからなる特殊な石灰質堆積物の存在を明らかにした.中部三畳系では通常の浅海環境での堆積に戻り,有孔虫類の多様性も回復した.また,同国東部,インドチャイナ地塊西縁のサケオ地域において,新たに見つかった上部三畳系浅海成炭酸塩岩サクセッションの層序を明らかにし,有孔虫群集を報告した.
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