焼成炉に用いるマグネシア・スピネル質れんがは,1から5mmの粗骨材粒を中粒と細粒に加えて焼き固めることで収縮率を抑え,脱落し難い耐スポーリング性の高い機能性れんがを提供し,炉の安全を担保してきた.その一方で,粗骨材粒の混合比を増すと健全性が増すとともに,非線形な変形挙動を示すようになるが,なぜ非線形な変形挙動を示すか不明であった.この研究で,れんがの実際の変形特性を定量的に把握し,ばね要素と構造粘性要素のフォークトモデルで特異な変形挙動を表現できることが判明した.今後,れんがの健全性をより向上させ得る“組織構造”の提案につなげることで,科研費で得た知見を社会に還元できる.
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