研究課題
基盤研究(C)
本研究では,パラジウムを電極に持つイオン導電性高分子アクチュエータの開発を行った.このアクチュエータは,パラジウムが水素吸蔵時に示す体積膨張と,高分子電解質膜中で生じる陽イオンの移動に伴う体積膨張という2つの原理を利用したハイブリッドアクチュエータである.屈曲変形の理論モデルを新たに構築し,それぞれの駆動メカニズムの寄与度を明確にすることで,効率的にアクチュエータを駆動させるための設計指針が得られた.
材料力学,破壊力学
イオン導電性高分子アクチュエータは,柔軟,低消費電力,水中で駆動できるなどの利点がある.本研究では,従来の駆動メカニズムに加えて,電極に水素吸蔵合金を用いることで,陽イオン移動と水素吸蔵による体積膨張の2つの駆動原理を利用した新たなアクチュエータを提案した.そして,屈曲変形の理論モデルを構築し,駆動メカニズムを明確化した点に学術的意義がある.さらに,将来の水素社会を見据えて,水の電気分解により発生する水素を利用した新たな機械要素を示した点に社会的意義がある.