本研究は生体吸収マグネシウム合金を用いた高機能化した低侵襲医療デバイスの実用化を実現するため,バニシング加工によりマグネシウム合金の表層部結晶組織を制御することで,生体吸収マグネシウム合金製品の任意の部分の強度制御および分解速度の制御を実現することを提案している.加工パラメータを精密に制御可能なバニシング加工システムを構築し,各加工パラメータが表面特性(表面粗さ,硬さ,加工硬化層の深さ)及び結晶組織(結晶粒径,結晶方位)に与える影響を明らかにした.更に,提案した手法で生体吸収マグネシウム合金の耐食性の向上に有効であることを確認したうえで,耐食性を向上するメカニズムを解明した.
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