近年,微細金型,各種ノズル穴,半導体等の分野において,立体的で微細な三次元形状部品が増加しており,これらの計測技術の進展なしでは微細加工技術の高度化は実現できないことから,これらを精密に測定する重要性・ニーズは増加している.このような測定ニーズに応えるためには,極小径のスタイラスの製作技術およびスタイラスと測定対称面との接触を検知するセンシング技術の開発が必要となる.本研究では,穴内部形状や側壁微細粗さの測定要求を満たすために,先端が曲り鋭利なスタイラス(微細粗さ測定用の触針)や極小径の先端が球形状のスタイラス(形状測定用の触針)の開発を実施する.昨年度までに,ウェットエッチングを用いたスタイラスシャフトの小径化・先鋭化,CO2レーザを用いたスタイラス先端球成形および曲げ加工技術の開発,耐震性能および感度改善を目的とした2段型弾性ヒンジ付きスタイラスの開発を行った.本年度は,製作した先鋭化曲げスタイラスおよび2段型弾性ヒンジ付きスタイラスを用いた性能評価実験を実施した.先鋭化曲げスタイラスと粗さ標準片などを用いた評価実験の結果,壁面の微細な粗さを測定可能であることを確認した.また,2段型弾性ヒンジ付きスタイラスを用いて熱上昇気流を用いた耐震試験を実施した結果,気流変化に対する耐震性能が向上していることを確認した.
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