研究課題/領域番号 |
18K03880
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
瀧野 日出雄 千葉工業大学, 工学部, 教授 (70633238)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | イオンビーム / 磁気レンズ / 四重極磁石 |
研究実績の概要 |
Arイオン生成部として,バケットタイプのカウフマン型イオンガンの設計,製作を行った.また,イオンガン用電源と制御部から成るイオンビームコントロールシステムを設計,製作した.本イオンガンとイオンビームコントロールシステムを用いてArイオンビームが生成できることを確認した. また,製作したイオンガンと真空チャンバとの間に装着可能な磁気レンズを設計した.磁気レンズは,四重極磁石を2段に配置したものである.四重極磁石は,4個の磁石を90°間隔で円周上に設置したもので,N極とS極とが隣り合うように各磁石を配置したものである.設計に先立って,ネオジウム製の永久磁石を用いた場合について,磁場シミュレーションによって,最適な磁石の位置や磁気レンズの構造の検討を行った.その結果,磁気レンズを真空チャンバ内に設置する方式により所望の磁場が生成することが判明した.このために,ネオジウム磁石の外周はニッケルメッキを付与することにした.以上の検討に基づいて,磁気レンズを製作した.磁気レンズの真空部に磁石を設置するため,磁石同志が吸着しないような構造とした.製作した磁気レンズの磁場測定をガウスメータによって実測し,磁場シミュレーションと同等の値が得られていることが確認できた. さらに,製作したイオンガンと磁気レンズを真空チャンバに取り付けて,イオンビームコントロールシステムによって所定の電圧を印加したところ,イオンビームが生成できることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イオンガンが製作できた.また,磁気レンズが完成した.これらを真空チャンバに取り付けてイオンビームが生成することを確認した.以上から当初の計画通り順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
イオン生成条件を検討して,イオンビームが収束するかどうかを確認する.イオンビームの収束状況によっては,3段の磁気レンズを設計製作する.また,生成したイオンビームによる加工実験を実施する.
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次年度使用額が生じた理由 |
計画していた国際会議(アメリカ精密工学会)での発表を見合わせたことや,同会議録作成のための英文校閲が不要になったことから,未使用額が生じた. 今年度未使用だった助成金は,次年度の国際会議での発表のために使用する計画である.
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