現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究項目(ii)引張せん断強度(TSS)・十字引張強度(CTS)の評価、 (iii)せん断時のクリアランスと接合強度の関係、(iv)応力集中を考慮した継手形成の試みと実証実験については当初の予定を達成した。 継手強度に関しては、3 mm厚のA5083P-Oアルミニウム合金板とφ4せん断穴を有する1 mm厚のSPCE鋼板において、最大平均CTSはパンチ―ダイ間クリアランス0.5 mmの時に431.9 Nであり、この条件に対応する平均TSSは1535 Nであった。また、最大平均TSSは1659 Nであり、このときのクリアランスは0.8 mmで、平均CTSは361.5 Nであった。抵抗スポット溶接によって接合されたSS400鋼とA5083アルミニウム合金の間の継手のCTSは約400 N)であったと報告されていることから(Watanabe, T., Doi, Y., Yanagisawa, A. & Konuma, S.: Q. J. Jpn. Weld. Soc., 23-3(2005), 491-495.)、提案された方法によって作られた継手は,それと同等程度の継手強度を有するといえる。 また、研究項目(i)FSFにより接合可能な最大・最小の下穴寸法と穴の密度の調査については、装置の故障のため一部未達の項目(熱電対の金型の埋込みによる温度測定と一部の成形条件の実験)があった。これについては当初予算の配分を見直すことで、本年度、不具合があった装置の代替装置を導入したが、代替装置の納品がコロナ禍のため大幅に遅れたため、未達の項目が残ってしまった。 一方で当初計画以上の成果として、鋼板にパンチングで多数のプレスせん断下穴を用意し、摩擦攪拌工具を送って本研究の原理で疑似線形接合をする着想を得て、実証を行った。従来の塑性接合の多くは点接合に限られているため、線状塑性接合は画期的である。
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