| 研究課題/領域番号 |
18K03890
|
|---|
| 研究機関 | 東京都立産業技術高等専門学校 |
|---|
研究代表者 |
青木 繁 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 名誉教授 (20106610)
|
|---|
| 研究分担者 |
田中 智久 東京工業大学, 工学院, 准教授 (70334513)
酒井 康徳 芝浦工業大学, システム理工学部, 助教 (70774769)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
| キーワード | 超音波 / 転写加工 / 押付力 / 摩擦力 |
|---|
| 研究実績の概要 |
物体表面へ数ミクロンから数百ミクロン間隔の微細凹凸を創成することで摩擦が制御できる。これを航空機や発電機、工作機械といった大型産業機械のしゅう動面に適用して低摩擦化を達成できれば、その機械効率は飛躍的に向上する。これを実現するためには、耐摩耗性が高い微細凹凸を高精度かつ高能率に大面積のしゅう動面へ加工する技術が要求されるが、既存技術では実用に十分耐えうる微細凹凸の加工技術は存在しないのが現状である。本研究ではこのような状況を勘案し、転写ローレット加工 (塑性加工)に超音波を複合することで、既存加工技術で不可能だった大面積のしゅう動面へ微細凹凸を創成できる加工技術
「MUK(Micro Ultrasonic Knurling)」を開発することを目的とする。
上記の目的を達成するために、押付力や摩擦力をセンシング可能な超音波と転写ローレット加工を複合した微細凹凸加工技術（MUK）加工機を用いて、比較的簡単な形状を加工する実験を行い、超音波振動を加えながら加工することの有効性を確認した。とくに、超音波振動を加えながら加工した場合の押付力および摩擦力の低減量と加工条件との関係を詳細に明らかにした。押付力と摩擦力より摩擦係数も求め、加工条件との関係を明らかにした。また、超音波振動の振動数が押付力や摩擦力に及ぼす影響も明らかにした。これらのことにより、微細凹凸を加工する際の最適な押付力や超音波振動の振動数などのMUK加工条件の決定指針を確立することができた。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、MUK加工により微細凹凸を設けた精密位置決め装置用の滑り案内面を加工し、実際の案内面として実用に十分に耐えうるものであることを、従来技術で加工したものと比較して検証し、案内面の設計において不可欠な摩擦特性や振動減衰性などを考慮した、微細凹凸形状の設計指針を示すことを目標としていた。しかしながら、感染症の流行によって十分に実験をすることが不可能となった。そのため、押付力および摩擦力の低減量と加工条件の関係を明らかにし、最適な加工条件の決定指針を確立する段階に留まった。
|
| 今後の研究の推進方策 |
MUK加工により微細凹凸を設けた精密位置決め装置用の滑り案内面を加工し、実際の案内面として実用に十分に耐えうるものであることを、従来技術で加工したものと比較して検証し、案内面の設計において不可欠な摩擦特性や振動減衰性などを考慮した微細凹凸形状の設計指針を示す。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
感染症の流行のために研究が計画より遅れたために次年度使用額が生じた。計画を進めるために、主に加工面の摩擦特性を評価するための実験に必要な物品の購入、研究成果発表およびまとめのための費用として使用する計画である。
|
