本年度は,2021年度にCOVID-19の影響で国際会議発表を実施することができなかったことから,その活動に対しての繰り越し活動となる.2021年度に得られた研究成果を,The Asian Congress of Structural and Multidisciplinary Optimization 2022(ACSMO 2022)にて「Imagery Creation Based on BMI: Validation for Custom-made」という内容で対面にて発表を行った.この発表を通じて,脳波情報取得のためのTDNNの利用方法とその設定,アーチファクトに対する取り扱い等について国内外の研究者と意見交換を行い,本システムの改善のための有用な情報交換を行った.この改善と開発した形状創生手法を用いて様々なタイプの形状創生の試行を試みた. 2018年度から2022年度までの研究活動により,設計者個々にオーダーメイドした脳機能情報取得手法の開発,脳機能情報によるトポロジー最適化の開発,創生形状の質保証のための妥当性確認を実施することができた.この新たな形状創生手法の開発により,発想の起点となるイメージ形状から力学的感性に基づいた設計者の個性や芸術性などの感性を配慮した形状創生が可能となった.また,創生形状に対して,SD分析により妥当性確認を行った.その結果,品質・機能にデライトを与えた価値を創生する,超上流デライト設計手法の一つとして,物理的制約下での力学的感性と経験的知識を考慮した形状創生手法を実現することができた.
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