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2020 年度 実施状況報告書

マイクロスケールの損傷プロセスを考慮した腐食摩耗メカニズムのモデル化

研究課題

研究課題/領域番号 18K03902
研究機関岩手大学

研究代表者

内舘 道正  岩手大学, 理工学部, 准教授 (30422067)

研究分担者 佐藤 善紀  佐賀大学, 理工学部, 助教 (20739362)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード表面 / 腐食摩耗 / シミュレーション
研究実績の概要

海水中などの腐食環境下で使用される材料として,スーパー二相ステンレス鋼,高クロム鋳鉄,オーステナイト鋳鉄の三種類の材料について模擬海水中での静的腐食試験,及び,腐食摩耗実験を実施した.
JIS G0579:2000に規定された方法に準じて静的な環境下における耐食性を評価したところ,スーパー二相ステンレス鋼においては前述のJIS規格記載の6%濃度の試験液では75℃の環境下でもほとんど腐食損傷が見られず,その他に二種の材料と比較して非常に高い耐食性が確認できた.また,分極測定における不動態化維持電位の範囲より,スーパー二相ステンレス鋼の高い耐食性が不動態膜によることが裏付けられた.
腐食摩耗試験の結果より,海水中でのスーパー二相ステンレス鋼の耐腐食摩耗性はオーステナイト鋳鉄よりも劣っており,静的な耐食性とは直接的な相関が無いことがわかった.なお,比較として行った純水中での摩耗試験では,三種の材料の耐摩耗性に有意差は見られなかった.腐食摩耗試験と同時に採取した自然電位の変動から,耐腐食摩耗性が高かったオーステナイト鋳鉄は,その他の二種類の材料と比較して摩擦による電位の降下量が小さかった.また,同材料では摩耗初期に電位が降下した後,一定程度まで回復する挙動が測定された.これは,オーステナイト鋳鉄の摩耗面に材料,あるいは,環境由来のトライボ膜が生成されたためであると考えられるが,摩耗痕のEDS分析の結果からは明確な成分の違いは確認できなかった.
これらの実験データから,耐腐食摩耗性は静的な腐食特性とは別に扱う必要があることと,表面のトライボ膜の影響が無視できないことがわかった.モデル構築においてはこれらを考慮することが必要であると言える.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナウィルスの感染拡大により実験が行えず,共同研究者との研究打合せも実施できなかったため.

今後の研究の推進方策

感染拡大に留意しつつ,可能な範囲で実験を推進する.必要な実験回数が確保できない場合は,限られたデータの範囲で解析を実施する.

次年度使用額が生じた理由

コロナウィルス感染拡大のために実験・解析が計画通りに行えなかったため.また,参加を予定してた学会が延期や中止となったため.

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公開日: 2021-12-27  

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