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2019 年度 実施状況報告書

世界最大Re数DNSデータベースを用いた乱流輸送現象解明と乱流モデリングへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K03923
研究機関山梨大学

研究代表者

山本 義暢  山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (40377809)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード高レイノルズ数 / 壁面乱流場 / 直接数値計算 / 乱流統計量 / 乱流モデル
研究実績の概要

直接数値計算手法開発においては、並列スペクトル法コードにおけるノード間通信の最適化を行うことにより、実行効率の向上が実現できた。また次世代スパコンを対象とした超並列計算に対応するために、通信負荷の少ないaliasing 誤差の除去方法の検討を行った。
開発コードを用い、世界最高レイノルズ数条件(摩擦レイノルズ数8000)のチャンネル流を対象として、高次精度乱流統計量を対象としたDNS(Direct Numerical Simulation)データベースの構築を行い、レイノルズ応力及び散逸率の輸送方程式に関するデータを取得した。またポスト解析を目的として、時系列データとしてスナップショットデータを約400TBの取得を行った。
得られたDNSデータベースを用い、散逸率の対数則特性、線形応答理論解析を行い、高レイノルズ数効果に関する新たな知見を得た。得られたDNSデータはWeb上で公開予定である。さらにLES(Large Eddy Simulation)解析におけるsub-grid sale(SGS) modelについて、スケール相似的に散逸量を補う新たなモデルを開発した。その結果、レイノルズ数に依存しない普遍的なモデル定数での解析が可能となり、DNSの存在しない高レイノルズ数条件を対象とした高信頼性LES解析の実現目途を得ることができた。
最終年度は、摩擦レイノルズ数16000のLESを実行し、高精度実験結果との比較により精度検証を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

DNSデータベースの構築に成功するとともに、高レイノルズ数効果に関する新たな知見を得ることができている。またレイノルズ数に依存しないモデル定数によるLES解析が可能な新たなSGSモデルの目途を得ることができ、応用面でも進展が期待できる。

今後の研究の推進方策

最終年度は、得られたDNSデータベースを用いた詳細解析結果による高レイノルズ数効果に関する知見の成果発信に注力する。
また新LESモデルを用いた、DNS結果の存在しない高レイノルズ数条件下でのLES解析を実施し、LESモデル開発のまとめを行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

DNSデータベースの構築を最優先した結果、大型計算機使用料がやや超過し、データベース保存用のサーバー購入が予算不足となった。これを次年度分と合算して対処するために残金を次年度に持ち越した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] メルボルン大学(オーストラリア)

    • 国名
      オーストラリア
    • 外国機関名
      メルボルン大学
  • [雑誌論文] Linear Response Theory for One-Point Statistics in the Inertial Sublayer of Wall-Bounded Turbulence2019

    • 著者名/発表者名
      Y. Kaneda, Y. Yamamoto, Y. Tsuji
    • 雑誌名

      Physical Review Letters

      巻: 122 ページ: 194502

    • DOI

      https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.122.194502

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [備考] DNSデータベース

    • URL

      http://www.me.yamanashi.ac.jp/lab/yamamoto/DNS2

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公開日: 2021-01-27  

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