水管の損傷を抑制すべく、水中における衝撃波を、音響的なソリトンに変換させることを着想した。キャビテーションの「弱い」非線形効果を活用によって、キャビテーション気泡振動に起因する波の分散効果が発現し、非線形効果と分散効果がつりあえば、ソリトンを形成できる。一方、非線形効果が散逸効果とつりあうときに衝撃波が形成される。ゆえに、非線形・散逸・分散の三効果の定量評価が上記着想の実現につながる。これら三効果を表す三項の線形和から表現される数理モデル「非線形波動方程式」に着目し、高速伝播モードを始めとする多様な非線形波動方程式を構築し、三効果の定量評価を経て、圧力波の発展波形を予測できた。
|