研究実績の概要 |
第三ヘリカルモードペアの騒音抑制効果に対するジェットせん断層厚さの影響を調査することを目的に,M=2.0,Re=2000における超音速円形ジェットのDNSを実行し以下のことを確認した.薄いせん断層を持つジェットでもランダム攪乱のみに対し,第三ヘリカルモードペアを加えるとジェットから放射される圧力変動レベルが低下する.流入撹乱のストローハル数を増加させるとポテンシャルコア領域の長さが短くなり,遠方での圧力変動レベルも低くなる.厚いジェットせん断層に対し薄いせん断層では,加えた第三ヘリカルモードペアの振幅が同じでも,ジェットから放射される圧力変動レベルの低減効果が高い.(r=60r0においてδ0=0.08では約3dB低下,δ0=0.06では約5dBほど低下). また、マッハ数依存性に関し,M=2.0, 2.5, 3.0, Re=2000における超音速円形ジェットのDNSを実行し以下のことを確認した.自然遷移を模擬したランダム撹乱のみのケースに第三ヘリカルモードペアを加えると,マッハ数の違いによらず,ランダム撹乱のみを加えたケースに比べ半径方向遠方において圧力変動が小さくなる.高マッハ数では,加えたヘリカルモードペアの流入撹乱振幅を大きくすることで低マッハ数と同程度の騒音低減効果が得られる.(r=50r0においてM=2.5では振幅9.0%で約2.9dB, M=3.0では振幅20.0%で約2.7dB低下)・高マッハ数では,低マッハ数と同程度に圧力変動レベルを低下させるには低マッハ数に対し,より上流側でジェットを拡散させる必要がある.
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