希薄予混合燃焼は内燃機関の熱効率の向上および窒素酸化物の低減に有効である.しかし予混合火炎には希薄可燃限界が厳然と存在し,それ以下の当量比では通常の方法では全く燃焼せず,また可燃範囲内であってもこの限界に近い条件では消炎が頻発して実機の作動に適さない.本研究の方法で安定な超希薄燃焼が可能になれば,超希薄でなくとも,少なくとも可燃限界に近い希薄条件での作動が現実的になる.本研究の旋回流バーナがそのまま実機に利用できるか否かは明確でないが,分子量が比較的大きな燃料においては火炎の外周部で拡散熱的不均衡により火炎が強化されるという知見は, 実機の開発に重要なヒントを与えると考えられる.
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