研究課題/領域番号 |
18K03969
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
森吉 泰生 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (40230172)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 低温プラズマ / 着火 / 数値解析 |
研究実績の概要 |
低温プラズマ点火装置は,熱的に非平衡な放電を主体とし,雰囲気予混合気の温度はあまり高温にならず,電子温度のみが高温状態となっている.そして,この高温電子は,予混合気中の分子と衝突し,反応性の高い化学種を生成し,自着火を促進させる.これにより,低温プラズマ点火装置は,点火を実現している.しかしながら,低温プラズマによりどのような化学種が発生しているのかは,プラズマの発生時間が極めて短いことなどから実験による観察は難しい.そこで,化学種発生状態や雰囲気場が化学種生成に与える影響について,シミュレーションにより調査した.低温プラズマ点火シミュレーションソフトウェアとしてVizGlow (ver. 2.2)を用いた.VizGlowは米国EsgeeTechnology社が開発したソフトウェアであり,低温プラズマを対象とした多次元シミュレーションモデルである.多次元モデルであるため,低温プラズマやそれに伴い発生した化学種の分布を定性的に確認することが出来る.また,本ソフトは空気-メタンを対象とした低温プラズマ反応メカニズムが組み込まれており,天然ガス雰囲気に近い状態での反応状況を確認することが出来る.計算の結果,以下の知見が得られた. (1)本計算では,雰囲気温度や圧力が電子数密度の発達過程に影響を与えていないことが確認された.この一因として,運動量計算にドリフト拡散近似式を用いており,この式中に温度,圧力の影響を示す項が含まれていないためと推測した. (2)空気過剰率の違いが,電子数密度の発達過程に影響を与えることが予測された.また,化学種も空気過剰率の違いにより発達過程に違いが出た.全般的に,空気過剰率が小さいほうが,化学種を多く生成する傾向となった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験で観測された燃焼速度の向上に対し,数値解析で化学反応に着目し調査を行った.非常に高速な現象であるので,放電初期の解析しか出来なかった.空気過剰率が電子数密度に与える影響を見ると,圧力,温度とは異なり,電子数密度分布に明確な違いを示した.このことから,空気過剰率は放電の発達プロセスに影響を与えていると判断できる.
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今後の研究の推進方策 |
熱発生が生じるまでの数値解析は膨大な時間がかかるため,プラズマ形成過程の計算は今年度までとする.来年度以降は,電圧の立ち上がり勾配が燃焼に与える影響について,実験と簡易反応計算から解析を進める.
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