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2018 年度 実施状況報告書

生体内熱輸送特性を可視化する新たな画像診断技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K03984
研究機関九州大学

研究代表者

福永 鷹信  九州大学, 工学研究院, 技術職員 (60591196)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードレーザースキャニングサーモグラフィー / 非接触可視化技術 / 熱輸送性質 / 生体組織
研究実績の概要

本研究は,生体組織内部の熱的情報を非接触で可視化するレーザースキャニングサーモグラフィと名付けた新たな画像診断技術の実現のため,その原理を確立し適用条件を明らかにすること,さらに,生体模擬試料を用いて実験を行い考案した測定方法の実証を行うことを目標としている.研究初年度となる当該年度はレーザースキャニングサーモグラフィ技術が原理的に可能であることをシミュレーションにより確かめることを目的とし実験を行った.
レーザーを生体に照射することを模擬するためにPennesの生体熱輸送方程式を適用したモデルをCOMSOL Multiphysicsで作成し解析を行った.レーザースキャニングサーモグラフィーではシート状のレーザーを使用するため,奥行方向のレーザー強度が一様に分布し,かつ生体モデルも同様に奥行方向に一様な形状分布を有し,奥行方向に熱の移動は生じないとし,水平方向成分(x方向)と深さ方向成分(y方向)からなる2次元モデルを用いて解析を行った.解析条件は,血流の影響を考慮するにあたり,①領域全体に血流が存在する場合と②領域表面付近の一部に血流が存在する場合について検討を行い,レーザー照射後の温度変化について評価を行った.
解析の結果,生体表面でのレーザー照射通過後からの温度上昇の時間変化を捉えることができ,レーザー照射による生体内部の温度上昇後,組織の温度は血流温度より高温になり,血液は灌流に伴い吸熱作用を示し,血液灌流率に従い吸熱効果も高くなることが明らかとなった.血流の存在により生体表面の温度に変化が現れたためレーザースキャニングサーモグラフィーによって血流の存在を検知可能なことが示された.得られた解析結果を基に実機でのレーザー照射ならびに熱画像の取得を進める方針である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り研究は進んでおり,概ね予想通りの結果を解析により得ることが出来ている.

今後の研究の推進方策

次年度研究計画に変更はなく,引き続きレーザースキャニングサーモグラフィー技術の実証のために,実機を用いた実験に移行する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 熱輸送性質の違いを用いた生体内部構造の非接触可視化法2018

    • 著者名/発表者名
      柳瀬充玖,佐藤太一,福永鷹信,王海東,藏田耕作,高松洋
    • 学会等名
      日本機械学会 熱工学コンファレンス2018

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公開日: 2019-12-27  

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