研究課題/領域番号 |
18K03984
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
福永 鷹信 九州大学, 工学研究院, 技術職員 (60591196)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | レーザースキャニングサーモグラフィ / 非接触可視化技術 / 熱輸送性質 / 生体組織 |
研究実績の概要 |
本研究は,生体組織内部の熱的情報を非接触で可視化するレーザースキャニングサーモグラフィと名付けた新たな画像診断技術の実現のため,その原理を確立し適用条件を明らかにすること,さらに,生体模擬試料を用いて実験を行い考案した測定方法の実証を行うことを目標としている. 本年度は,昨年度明らかとなった試料表面の放射率の違いを考慮した検討を行うため,試料表面に黒体を塗布し昨年と同様の一連の実験を行い,可視化画像による異物の検出が可能かどうか検証した.その後,検出試料をアルミ合金棒やアクリル角棒から脂肪組織に変更し,実用に向けた検証を行うことを目的とした.レーザーは前回明瞭な可視画像が得られた波長1319nmに加え,半導体レーザー(1720nm),Ho:YAGレーザー(2080nm)を用意し,脂肪組織が検出可能かどうかを確認した.さらに,皮下対象物に血管を有する体表面を想定し,生体部分と血流のある血管部分が混在するモデルを作成しレーザースキャニングサーモグラフィにより生体内部の情報が可視化出来るのかを評価した. 脂肪組織(サイズ1mm角,埋没深さ1mm)の検出を行った実験では,1319nmはノイズの影響を受けて検出が困難であること,2080nmの波長では可視化が出来なかった.一方,波長1720nmは脂肪の可視化が出来ることが明らかとなった.今後,サーモグラフィから得られた熱画像のデータ処理の方法の改善と異物試料の深さを推定する手法について検討を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の影響により,購入物品の調達や実験の遂行に遅れが生じたため,血流を想定したモデルでの解析と血管の深さの推定を行う実験が遂行中となっている.
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今後の研究の推進方策 |
補助事業期間の延長を申請したため,遂行中の実験を完遂する計画としている. 実験装置や解析モデルは既に作製し,現在研究を遂行しているため滞りなく延長期間内に研究を終える予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症により成果報告のための旅費を使用出来なかったため計画に差異が生じた.
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