本研究は,生体組織内部の熱的情報を非接触で可視化するレーザースキャニングサーモグラフィと名付けた新たな画像診断技術の実現のため,シミュレーションにより原理を確立し適用条件を明らかにすること,さらに,生体模擬試料を用いて実験を行い,考案した測定方法の実証を行うことを目的とした.解析の結果から,シートレーザー通過後の試料表面温度は包埋させた試料の熱輸送性質に依存して異なり,生体試料と同程度の熱拡散率を持つアクリル試料において最も明瞭な可視画像を得ることができた.実証実験では,解析で求められた温度上昇と概ね一致する値を示す可視化画像を得ることができ,非接触可視化法の確立ができた.
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