研究課題/領域番号 |
18K03985
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中島 裕典 九州大学, 工学研究院, 助教 (70432862)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 固体酸化物形燃料電池 / 多孔質ハニカム燃料極 / 三次元反応場 / 内部改質 / 接触部分酸化 / 燃料・熱自立 |
研究実績の概要 |
3x3の流路を有する燃料極支持形ハニカム固体酸化物形燃料電池を管状電気炉で850℃に加熱し,燃料極,空気極の流路配置を変えて,マスフローコントローラーにより種々の燃料極,空気極ガス供給条件を設定して,電子負荷器により所定の電流を取り出して,発電特性評価を行った.ハニカム多孔質燃料極支持体は,本応募者らの研究において、熱ゲル成形法によるハニカム多孔質燃料極支持体の一体成形実績のあるメーカーに依頼して製作し,電解質、空気極を塗布,焼成した.また,この発電特性をよく再現する三次元数値モデルを有限要素法により構築し,三次元電流分布や物質輸送分布を明確にすることができた.接触部分酸化(CPOX)触媒であるRu/Ce0.5Zr0.5O2微粒子を石英ウールに分散したものをハニカムセルの燃料極流路内に設置して内部改質させながら発電特性評価を行うための燃料ガス供給条件を明確にするため,本触媒微粒子を分散させた石英ウールを長さを変えて石英管内に設置したものを管状電気炉で650-750℃に加熱し,種々の割合でメタンガスと酸素の混合ガスを供給して燃料改質を行い,出口側の改質ガス組成をガスクロマトグラフィーにより同定したところ,十分な濃度の水素ガスが確認でき,CPOX触媒への燃料供給条件を決定できた.また,この改質ガスをマイクロ円筒型固体酸化物形燃料電池に供給して,発電特性評価を行い,十分な発電性能が得られることがわかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ハニカムSOFCの三次元電流分布を明確にする手法を確立できたとともに,接触部分酸化(CPOX)触媒の改質条件を明確にできたため.
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今後の研究の推進方策 |
接触部分酸化(CPOX)触媒であるRu/Ce0.5Zr0.5O2微粒子を石英ウールに分散したものをハニカムセルの燃料極流路内に設置して内部改質を行いながら発電特性評価を行う.また,実測の発電特性に合致する有限要素法モデルを作成して,三次元電流分布を明確にすることで,反応速度分布・改質燃料濃度分布を解明し,最適流路配置,流路密度,強制対流型流路の設計指針を明確化する.
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