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2020 年度 実施状況報告書

ガンの温熱療法への応用を目的とした磁性ナノ粒子の自己配列化と発熱特性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K03991
研究機関東洋大学

研究代表者

森本 久雄  東洋大学, 理工学部, 教授 (00385957)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード磁性ナノ粒子 / 温熱療法 / 自己配列化 / 交流磁場
研究実績の概要

本研究の目的は,強磁性ナノ粒子の自己配列化およびこれが高周波交流磁場中における粒子の発熱におよぼす影響を明らかにすることである.2020 年度は前年度に引き続き,直流,交流,および直流・交流複合磁場中において酸化鉄ナノ粒子が形成する自己組織化クラスター構造を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し解析した.ナノ粒子は水に分散しているため,これを蒸発させた後に観察する.したがって電子顕微鏡による観察の場合,水が蒸発する際に発生する対流の影響が避けられない.そこで光学顕微鏡により水を蒸発させることなく粒子のクラスター構造を観察するための実験システムを新たに構築した.高周波交流磁場を印加しながら観察を行う場合,顕微鏡のレンズは磁場によって発熱しないようコイルから十分離れていなければならない.そこで観察には長距離顕微鏡を用いることにした.また,本実験システムのために交流磁場発生用のコイルを新たに設計した.光学顕微鏡は電子顕微鏡に比べて倍率は劣るものの,溶媒を蒸発させる必要が無く,また粒子のクラスター形成過程も観察することができるという利点がある.今後は本実験システムにより外部磁場中のナノ粒子のクラスター構造を観察し,これまでの電子顕微鏡観察結果との比較・検討を行っていく.またブラウン動力学シミュレーションによる解析も前年度に引き続き行った.実験と同様に直流,交流,および直流・交流複合磁場中における磁性ナノ粒子分散系のクラスター形成および磁気特性を解析した.直流磁場の強度,交流磁場の振幅,直流・交流磁場の成す角などを変化させ,これらパラメータがクラスター構造および磁気特性におよぼす効果を明らかにした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

電子顕微鏡によるナノ粒子のクラスター構造の解析を行うとともに,光学顕微鏡により溶媒を蒸発させることなく粒子のクラスター構造を観察するための実験システムを新たに構築した.またブラウン動力学による解析も前年度に引き続き行った.しかしながら 2020 年度はコロナ禍により当初予定していた様に本研究に時間と力を割くことができず,特に実験による解析に遅れが生じている.

今後の研究の推進方策

2020 年度に構築した実験システムを用い,外部磁場中におけるナノ粒子のクラスター構造を光学顕微鏡により観察する.これまでの研究により,磁場強度が十分大きい条件下では光学顕微鏡で観察可能なサイズのクラスターが形成されると考えられる.画像解析によりクラスター構造を定量的に評価し,これまでの電子顕微鏡観察実験結果と比較検討を行う.またナノ粒子が形成するクラスター構造体の磁気特性評価ならびに交流磁場中における温度上昇量の測定を行い,これをもとにナノ粒子の発熱量を評価する.さらにブラウン動力学法による数値解析も継続して行う.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Nonequilibrium cluster structures formed in a thin magnetorheological fluid layer subjected to a dc magnetic field2020

    • 著者名/発表者名
      Ukai Tomofumi、Dong Jun、Maekawa Toru、Morimoto Hisao
    • 雑誌名

      AIP Advances

      巻: 10 ページ: 055012~055012

    • DOI

      10.1063/1.5144574

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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