溶融塩ガス化/円筒型MCFC結合型高機能ダイレクトカーボン燃料電池の高性能化に向けて、①電池構成の最適化、②T-MCFC2セルスタックの試作・評価、③HF-DCFC用燃料のためのガス化条件の最適化および④HF-DCFCの基本特性の取得について実施してきた。①に関しては、ステンレス支持管においては支持管直径と電極厚み、電解質含侵量との相関を得ることはでき、平板型とほぼ同等の850mV@150mA/cm2の特性を得ることができた。しかし、アルミナ管支持管では、適切な多孔質アルミナ管がほとんどなく、既存のアルミナ管では適切な状態で電極を維持し、必要電解質を充填することはできなかった。 ②に関しては、上述したように適切なアルミナ管が無いため、横縞型のスタックおよびアルミナ支持管型ソケットタイプのスタックはを図ることはできなかった。そこで、ステンレス管を加工したアルミナ継手で繋ぐソケットタイプのT-MCFCスタックに変更した結果、①で得た知見の応用で作製が可能であることを示唆できた。しかし、このタイプの電解質充填量の最適化までは至らなかった。 ③に関しては、醤油粕および木質ペレットを燃料とした場合の基本ガス化特性を得ることができ、HF-DCFCとしてのT-MCFC運転条件とガス化特性の両立可能な条件も見出せた。 ④に関しては、木質ペレットを燃料としたときのHF-DCFCの基本特性取得を行った。その結果、アノードガスに燃料ガス利用率100%でH2/CO2/H2O/N2をベースガスとして供給した状態で3gの木質ペレット供給に伴って出力が5mW/cm2向上させることができた。今後、連続供給することでアノード側のベースガス量を減少させて、100%木質ペレットでの発電を目指していく。
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