熱電発電の性能は材料の出力因子(ゼーベック係数の二乗と電気伝導率の積)で支配されるが、ゼーベック係数と電気伝導率はトレードオフの関係にある。本研究では、高電気伝導率&低ゼーベック係数、低電気伝導率&高ゼーベック係数の二種類の材料で構成されるハイブリッド多層膜をスパッタ成膜し、膜厚の比率と熱電特性の相関を検討した。高電気伝導率&低ゼーベック係数の層の膜厚比率が小さい場合に、ハイブリッド膜の出力因子が構成材料を上回ることが見いだされた。熱電材料粉末に金属微粉を微量混合してホットプレス成形したバルクハイブリッド材料でも、ハイブリッド膜と同様に出力因子が~90%増加することが見いだされた。
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