研究課題/領域番号 |
18K04013
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
木村 弘之 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 教授 (50579315)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 機械力学・制御 / 昇降機 |
研究実績の概要 |
(1)ロープ変位を抑制するための変位拘束部材がロープ両端部を除いて均等に配置された場合を対象として、強制振動時の周波数応答特性(共振振動数、振動モード)を差分法による数値解析により求めた。 ①台形状の初期変位を与えた場合、②ロープ両端の変位拘束部材がない領域で三角形状の初期変位を与えた場合、③同じく三角波状の初期変位を与えた場合の自由振動についての理論解を求めた。(自由振動時の波の伝播特性をもとに変位拘束部材に作用する荷重を同定し、この荷重がロープに作用する強制振動とみなすことで変位拘束部材を有するロープの自由振動時の理論解を求めた。)ロープ全長をp:q:pに分割(p、qは整数)し、ロープ中央部にq+1個の変位拘束部材を配置した場合のそれぞれの固有振動数は、変位拘束部材がない場合の①2N/(2+N)倍(N=2p+q)、②2N/(N+p)倍、③2N/(N+p/2)倍であることを明らかにした。また、②③についてはp、qが整数でなくても成立することを示した。 この自由振動についての理論解(固有振動数、振動モード)と周波数応答特性とを比較し、共振振動数が固有振動数と良く一致すること、振動モードが類似していることを示した。 (2)変位拘束部材にロープを衝突させるモデル実験とロープの曲げ剛性、粘性減衰、構造減衰を考慮した数値解析の結果、曲げ剛性、粘性減衰、構造減衰を同定する方法を開発した。また、これらのパラメータ同定の前にロープの境界条件の同定が重要であることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
変位拘束部材を有するロープの周波数応答特性と自由振動時の特性との関係については、当初計画以上に進んでいる。ロープの曲げ剛性、粘性減衰、構造減衰の同定方法については、予定通り進んでいる。ロープの曲げ剛性を考慮した周波数応答特性については、やや遅れている。全体としては、おおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
(1)変位拘束部材が①1個配置された場合、②均等配置された場合、③両端部付近を除き均等配置された場合、に続いて④2個配置された場合の周波数応答、自由振動特性についても検討する。 (2)周波数応答特性に及ぼす曲げ剛性、粘性減衰、構造減衰の影響について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)試験モデルの改造や消耗品を最小限にしたため、この分は次年度購入する。 (使用計画)試験モデルの改造費用、センサーなどの消耗品購入費用、学会発表や論文投稿費用にも充当する。
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