自重を利用した円筒昇降ロボットは、車輪と円筒表面で生じる接触力が一意に定まらない不静定問題を抱えている。このため、姿勢制御において円筒表面の凹凸や摩擦係数の変動等の影響も受けて過大な抗力が不規則的に生じ、その結果として姿勢制御ができなくなることが発生していた。 この解決に向け、この抗力の発生する仕組みを解明し、解明に基づいた不静定問題を解決する機体姿勢制御を研究した。不静定問題を抱える機構は、これまで構造体の力や応力の解析、ロボットマニピュレーションでの接触力の解析等で多くの研究があるが、その姿勢制御については世界に研究例がなく、機械制御の地平を広げる研究といえる。
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