本研究では,申請者が提案した超音波パルスを利用する診断技術を応用し,インプラントねじの締結状態(締付トルク)を定量的に評価する技術を提案した. まず,縦波である超音波パルス波の一部がねじ山を透過する際に横波に変換されることを見出し,この横波の瞬時振動数が締結トルクに従って重要な変化を示すことを明らかにした.次に,締付トルクをねじ山間の接触剛性として間接的に表現,同定する方法を実施した.その結果,推定された締付トルクは実際に与えたトルクよりは若干小さい値ではあるものの,比較的良好な精度で推定できた.これにより,インプラントねじの締結状態の定量評価を可能とする基礎技術が確立できた.
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