研究課題
これまでに、適時適所的に微細な気泡を発生させることにより、アダプティブな経頭蓋フォノニックレンズを実現できることを示し、微小気泡を点状散乱体として、その配置を頭蓋内の焦点で音場が極大になり、それ以外の頭蓋内では音場が小さくなるように散乱体の最適配を決定できることを示した。決定された構造のフォノニックレンズは、頭蓋骨を円形、楕円形に散乱体を配置したものとしてモデル化することにより、頭蓋内の様々な点で入射方向に垂直方向には回折限界まで集束することを確認していた。2022年度では、頭蓋骨のCTデータより頭蓋骨をモデル化し、その場合にも頭蓋内の様々な点で入射方向に垂直方向には回折限界まで集束することを確認した。しかしながら、焦点でのスポットの半値幅は入射方向には垂直方向の5倍となっているため、それを改善させるために、部分的に頭蓋骨を点状散乱体で覆うことにより半値幅は入射方向には垂直方向の2倍程度にできることを確認した。これらの成果は、J. Appl. Phys. 132, 144504 (2022)、国際会議15th World Congress on Computational Mechanics (WCCM-XV)、日本機械学会第35回計算力学講演会、日本機械学会第14回最適化シンポジウムにおいて発表した。本研究課題では、頭蓋骨の外部から照射する超音波を経頭蓋で脳内の移動する焦点に即時的適宜的に集束させるフォノニックレンズの基礎研究を行ってきた。当初、音響ホログラフィーを用いてレンズを構成するインピーダンスの異なる物質の分布を有限要素法によりしかし、構造の最適化、適時的にすることが困難であるため、水中気泡によるレンズ構成として、気泡の最適配置を決定し、進行方向の垂直な方向に回折限界、進行方向にその2倍程度に集束できるレンズが実現可能であることを示した。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)
Journal of Applied Physics
巻: 132 ページ: 144504~144504
10.1063/5.0101875
第35回計算力学講演会(CMD2022)講演論文集
巻: 35 ページ: 179
10.1299/jsmecmd.2022.35.179
第14回最適化シンポジウム2022(OPTIS2022)講演論文集
巻: 22-50 ページ: 46
WCCM-APCOM 2022 book of abstracts
巻: 2022 ページ: 1861
計算数理工学論文集
巻: 22 ページ: 31 - 35