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2021 年度 実績報告書

球状微生物及びマイクロカプセルに対する超音波キャビテーションのフィルタ効果

研究課題

研究課題/領域番号 18K04036
研究機関関西大学

研究代表者

山本 健  関西大学, システム理工学部, 教授 (10370173)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードキャビテーション / 機械的共振 / ずり応力 / マイクロジェット
研究実績の概要

超音波キャビテーションによる多分散粒子系におけるサイズ選択的超音波破壊による粒径フィルタ効果の達成を目指した.
球状物体のサイズによって周波数特性が異なるため,任意のサイズの共振周波数の超音波を照射することにより,そのサイズだけを選択的に破壊することに成功した.また,理論的な計算では,同じサイズでも球殻が厚くなると,球殻の表面積変化率ピークが高周波に移動し,値が低くなるため,破壊にはより多くのエネルギーが必要となることが分かった.また,球殻の弾性率,内包物の粘性や密度を変化させると,表面積変化率だけではなく,Q値が変化するため,マイクロカプセル自身に独自の周波数特性を付加することも可能であることが分かった.一方,球状物体の破壊のメカニズムは,球殻の機械的共振だけではなく,気泡崩壊時のマイクロジェットやずり応力による破壊が複合的に関わることが実験的に検証できた.そのため,対象のサイズと気泡のサイズ関係によって,破壊に有意に関わる効果が異なる.気泡振動を数学的に表現するケラー・ミクシス方程式から,初期気泡半径,音圧及び周波数を変化させて,気泡周辺に発生するずり応力,圧力変動及びマイクロジェット応力を計算した.合わせて,サイズの異なる澱粉粒子に超音波照射することにより,マイクロジェットの打ち込みの頻度や応力を実験的に検討した.微小物体の破壊には,物体のサイズと気泡のサイズの大小関係が重要であり,対象が気泡より大きい際は,マイクロジェットによる破壊が有意となるが,周波数が高いとマイクロジェット応力が低くなることが実験的にも理論的にも検証できた.また,計算による応力の値は,微小圧縮試験機による実験データとの比較を通して妥当であることが分かった.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Mechanism for ultrasonic pitting of starch particles2021

    • 著者名/発表者名
      Sugino Fumiya、Yamamoto Ken
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Applied Physics

      巻: 60 ページ: SDDD08~SDDD08

    • DOI

      10.35848/1347-4065/abef09

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Inactivation of Algae and Plankton by Ultrasonic Cavitation2021

    • 著者名/発表者名
      Honda Atsushi、Sugino Fumiya、Yamamoto Ken
    • 雑誌名

      Sustainability

      巻: 13 ページ: 6769~6769

    • DOI

      10.3390/su13126769

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 超音波キャビテーションによる化学種生成への粒子添加の影響2022

    • 著者名/発表者名
      長浦駿,西口慶,山本健
    • 学会等名
      日本音響学会2022年春季研究発表会
  • [学会発表] 微細粒子に対する超音波ピッティング効果への周波数及び界面活性溶質添加の影響2021

    • 著者名/発表者名
      杉野史弥,山本健
    • 学会等名
      電子情報通信学会 超音波研究会
  • [学会発表] 超音波ピッティング効果に対する音響パワー及び界面活性溶質添加の影響2021

    • 著者名/発表者名
      杉野史弥,山本健
    • 学会等名
      第29回ソノケミストリー討論会

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公開日: 2022-12-28  

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