研究課題/領域番号 |
18K04040
|
研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
島田 邦雄 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (80251883)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | ゴム / 電解重合 / 磁気混合流体 / センサー / ピエゾ効果 / キャパシタ / 磁場 / 磁性粒子 |
研究実績の概要 |
プラスチックでないもう一つの高分子溶液としてのゴムに対して,導電性高分子溶液における電解重合法を駆使することで,従来にない,かつ夢を実現する様々な技術を確立することを本研究の目的とし,平成30年度においては,具体的には,1)ピエゾ素子を含むセンサ,2)キャパシタとバッテリーの開発の確立を行った. 1) ピエゾ素子を含むセンサ ピエゾ効果の原理は,MCFゴム中に内在する水分子やポリイソプレンがラジカル化したイオン分子間の距離が圧縮や伸長により変化することで発生するイオン電導であることまでは判明している.現在,水分量や経年的影響とその対策が課題として残っており,これらの解決のために,水分量や経年変化の測定と,圧縮と伸長による電気信号変化の測定を通して,シリコーンオイルゴム等によるセンサ化を行った.すなわち,ゴム自体の開発と,ゴムに接着する金属による導線のセンサに対する固着手法の開発である.これらの技術は,論文や特許にて公表する運びとなった.また,これにより工業化に結びつけられると期待できる. 2) キャパシタとバッテリー 現在,導電性高分子溶液におけるプラスチックの場合での有機バッテリーで使われているドーパントについて,文献等により調査して数種類選定し,それをドーパントとして用いて作成した.そして圧縮や引張下において,ポテンショメータやインピーダンス測定により充放電特性を計測した.これについても,工業化に結びつけられると期待できる.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ピエゾ効果における水分量や経年的影響とその対策について,シリコーンオイルゴム等によるセンサ化を行った.すなわち,ゴム自体の開発と,ゴムに接着する金属による導線のセンサに対する固着手法の開発を行った.これらの技術は,論文や特許にて公表する運びとなり,これらは工業化に結びつけられると大いに期待できることから,当初の計画以上に進展していると判断できる.すなわち,これまでの電解重合によるゴム化に加えて,新しいドーパントを添加する手法であり,これまでになかった新しい手法でもあり,学術的にも工業的にもブレークスルーを起こすものである.要約すると,金属錯体からなる水和物をゴムと電気的に反応させることによってなる新技術は,ゴムの経年変化や,金属とゴムの新しい強固な接着を実現した.
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画書にあるように,プラスチックでないもう一つの高分子溶液としてのゴムに対して,導電性高分子溶液における電解重合法を駆使することで,従来にない,かつ夢を実現する様々な技術を確立することを本研究の目的とし,ピエゾ素子を含むセンサ,キャパシタとバッテリー以外の機能性として,太陽電池の機能性を有する素材の開発の確立を行う.ここで,前二者の機能性を保持しているものとする.
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度における研究実施結果が予想以上に進行したため,その成果公表において過不足が生じたため,前倒し申請したが,念のため多めに前倒し申請しておいたため,次年度使用額(B-A)が生じた.それに伴う次年度の研究計画に変更及び支障は来たさない.
|