研究課題
プラスチックでないもう一つの高分子溶液としてのゴムに対して,導電性高分子溶液における電解重合法を駆使することで,従来にない,かつ夢を実現する様々な技術を確立することを本研究の目的として,平成31年度において,昨年度に引き続き,MCFとゴムを併用し電解重合法を駆使することにより新素材の開発とその特性把握を行った.すなわち,MCFは本研究代表者が2001年に開発した磁場に反応する新しい機能性流体であり,磁気混合流体と称し,ジエン系及び非ジエン系のゴムと混合したMCFゴムを用いて行う.具体的には,太陽電池,及び,有機ELの開発の確立を目指した研究を行った.すなわち,太陽電池については,色素増感型太陽電池等の湿式太陽電池が参考になることから,その場合でのドーパントについて文献等により調査して選定し,MCFゴムの太陽電池を作成した.そして光照射時の圧縮や引張下において,電流-電圧特性試験,ポテンショメータによる光誘起力特性の測定を行った.これにより,ドーパントの種類により光起電力効果が異なり最適なドーパントや電解重合時の実験条件が存在すること,また,塑性領域よりも弾性領域で光起電力効果が増すことが最大の特徴として得られた.こうして,伸張性や圧縮性に富むゴム型の太陽電池を作成する手法を確立できた.一方,有機ELについては,導電性高分子溶液におけるプラスチックの場合での有機ELで使われているドーパントについて文献等により調査して選定し,有機ELを作成する実験を試みた.その結果,プラスチックの場合と較べてゴムの場合には,ドーパント等の選定が必要であるとの知見を得た.
2: おおむね順調に進展している
MCFとゴムを併用させて電解重合法を駆使することにより,伸張性と圧縮性に富む太陽電池の作成を構築することができ,その光起電力効果における特性について実験的に得ることが出来た.一方,有機EL化については,ドーパントの選定に未だ研究余地を残すものの,太陽電池化と,昨年度におけるピエゾ素子化とキャパシタ化における研究成果が非常に大きく,本研究で目標とする従来にない,かつ夢を実現する様々な技術の構築に大いに貢献するものとなっている.
研究計画書にあるように,プラスチックでないもう一つの高分子溶液としてのゴムに対して,導電性高分子溶液における電解重合法を駆使することで,従来にない,かつ夢を実現する様々な技術を確立することを本研究の目的とし,ピエゾ素子を含むセンサ,キャパシタとバッテリー,太陽電池の機能性を有する素材の開発の確立を引続き行う.また,有機EL化についても引続き研究を行う.
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件)
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