研究課題/領域番号 |
18K04045
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
前田 雄介 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (50313036)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | マニピュレータ / SLAM / 機構キャリブレーション |
研究実績の概要 |
本研究では,SLAM (Simultaneous Localization and Mapping) 技術を応用することで,ロボットマニピュレータの動作中に周辺環境の地図作成と機構キャリブレーションを同時に行うことを可能とする,SKCLAM (Simultaneous Kinematic Calibration, Localization and Mapping) 技術の提案と開発を行うことを目的としている. 2019年度においては,実環境での SKCLAM 手法について,機構キャリブレーションの効果による位置誤差の低減を,レーザ変位センサを用いて定量的に評価した.また,機構キャリブレーションの精度を向上させるために,環境中にチェッカーボードパターンを配置する手法を新たに開発した.環境中の特徴点をそのまま利用する従来の手法に比べ,パターン配置の手間が若干増えるものの,特徴点の誤対応に起因する精度低下を抑えることが可能であることを,仮想環境および実環境で確認した.そして,従来の RGB-D カメラに加え,新たに全天球カメラを用いた SKCLAM 手法の開発を行った.RGB-D カメラを用いる場合は,視野角の制約によりロボットの動作が大きい場合には SKCLAM を正しく行うことができなくなるが,全天球カメラを用いた場合には可能であることを,仮想環境において示した.このため,全天球カメラの使用はオンライン SKCLAM の実現に有効であると考えられる.ただし,高解像度の全天球カメラが必要であり,また,地図作成には現状では2台の全天球カメラを用いている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初実施計画で予定していた実環境での SKCLAM 手法の検証,ならびに全天球カメラを用いた SKCLAM 手法の開発に加え,チェッカーボードパターンを利用した手法など,新たな方法の提案を行うことができている.
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言に伴い,年度前半における研究室での研究実施が困難になっている.2019年度までに実装した仮想環境を活用して SKCLAM 手法の精度や使い勝手の改善のための開発・評価を進め,年度後半に実機での実験・評価を行うことを目指す.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により,本研究課題の成果を発表する会議が Web 開催となり,出張関係費用の支出がなくなったことによる.2020年度も引き続き成果発表のための出張が行えない事態が予想されるため,研究用物品の購入に充当する計画である.
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備考 |
・月刊生産財マーケティング 2020年3月号「今に花咲き実を結ぶ Robotics 後編」p.A-86 ・robot digest [気鋭のロボット研究者vol.11]普及期の今こそ、ロボットの教示を簡単に【後編】/横浜国立大学 前田雄介准教授
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