研究実績の概要 |
本研究では,SLAM (Simultaneous Localization and Mapping) 技術を応用することで,ロボットマニピュレータの動作中に周辺環境の地図作成と機構キャリブレーションを同時に行うことを可能とする,SKCLAM (Simultaneous Kinematic Calibration, Localization and Mapping) 技術の提案と開発を行うことを目指した.手先に RGB-D カメラを装着したロボットマニピュレータを対象とし,環境内の特徴点を利用する場合と,チェッカーボードを用いる場合の二種類の SKCLAM 問題を,最適化問題として定式化した.前者は環境に手を加える必要がないためより手軽だが,後者の方が高精度となる.また,SKCLAM 問題を効率的に解くための技術を開発し,マニピュレータの運動学的パラメータのキャリブレーションと三次元点群としての環境地図作成を可能にした.開発した手法を ROS/Gazebo を用いた仮想環境において検証し,キャリブレーション可能なパラメータ数や,センサノイズがキャリブレーション精度に与える影響などについて考察した.また,6軸産業用マニピュレータを用いた実機環境においても精度や計算時間の評価を行い,その有効性を確認した.さらに,RGB-D カメラの代わりに全天球カメラや RGB ステレオカメラを利用する手法も併せて開発し,それぞれの得失を明らかにした.
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