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2019 年度 実施状況報告書

不確定環境下でのロボット作業における環境認識と物体操作の同時実行理論の構築

研究課題

研究課題/領域番号 18K04048
研究機関立命館大学

研究代表者

植村 充典  立命館大学, 理工学部, 准教授 (00512443)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード環境認識 / ロボット制御 / ロボット機構 / バックドライバビリティ / ワイヤー駆動 / SLAM
研究実績の概要

不確定環境においてロボットが環境を認識するため、環境と接触できるバックドライバビリティの高いロボットの新しい機構を提案した。ロボットの軽量化やバックドライバビリティの向上につながるワイヤー駆動ロボットで、関節部分の軽量化とワイヤーの摩耗を防ぐ機構を提案し、その有効性を実験により確認した。
通常のワイヤー駆動機構の関節部分では、空転プーリにワイヤーを巻きつけることでワイヤの張力を次の関節に伝えたり、2つのワイヤを巻き取るプーリと次の関節に張力伝えるプーリを用いる。これらの機構では、ワイヤーを巻きつけることによるワイヤーの摩耗やバックドライバビリティの低下、関節部分の大型化・高重量化の問題がある。それに対し、提案した機構では1つの関節に対し、ワイヤを巻き付けない複数の空転プーリによりワイヤの張力を伝達することで、小型・軽量化とワイヤーの摩耗やバックドライバビリティの低下の問題を解決している。ただし、提案機構ではプーリどうしの接触により関節の可動範囲を制限する問題がある。その問題に対し、本研究ではプーリの位置を最適に配置することで可動範囲を最大化する方法を数学的に明らかにした。これにより、実用上十分な可動範囲を保つプーリの配置位置を求めることができた。
軽量・柔軟なロボットによる環境への接触を利用した環境認識方法についても新しい提案とアルゴリズムの実装を行った。これまでの我々の研究や本研究により、物体と容易に接触できる制御性能の高いロボット機構が実現されつつあるため、ロボットが物体に接触した際の物体の移動を利用した環境認識方法が可能となる。本研究では、このような物体の移動を利用した物体のセグメンテーションや3次元形状認識、接触状況判別をリアルタイムで可能とする環境認識方法を提案し、基礎的なアルゴリズムを実装した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、環境との接触を容易に行えるバックドライバビリティの高いロボット機構を進展させ、その機構を実装した実機の開発も行っている。
また、環境や物体との接触を利用した新しい環境認識アルゴリズムを提案し、実際に実装して基本的な有効性を確認できたことも、当初の予定通りである。

今後の研究の推進方策

今後は、当初の予定通り、環境との接触を容易に行えるロボットを完成させる。
また、環境認識アルゴリズムにおいては、不確定環境における実験を進め、アルゴリズムの妥当性を確認するだけではなく、より不確定な環境でも対応できる認識法に発展させる。更に、実験結果を反映させ、アルゴリズムの改良も進める。

次年度使用額が生じた理由

連続炭素繊維を印刷できる3Dプリンターが利用できる環境となり、断然安価に複雑かつ十分な強度の機械部品を製作できるようになり、想定していたよりも大幅にロボットの設計・開発費が抑えられた。
また、研究代表者の大学の異動により、国際会議等への旅費が想定していたよりも少なくなった。
今後は、より高度な設計・製作が可能となる金属3Dプリンターを外注で利用したり、成果の発表を工夫することで想定以上の研究成果を得つつ、成果の発表を行う予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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