研究課題/領域番号 |
18K04049
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
安藤 英由樹 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (70447035)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 内言 / 独り言 / 心理負荷 / 無意識誘導 |
研究実績の概要 |
ICT技術によるデータ収拾と機械学習によって,ユーザが求めている情報を即座に提供する技術が進んでいる.しかしながら,ユーザの行動を外部から促すような情報が多量に送られ、ユーザはそれに従うことに専念するため自律性や主体感を失う.このような無機的な応答によって心理的なストレスを増大させているという問題がある.この問題に際し当該提案は,情報をあたかも自身の心のなかで気づきが得られたように感じられるようにする情報提示の在り方を検討する. そこで当該研究では,ヒトが発声を伴わない脳内での思考のための道具としての利用している”内言”に着目する.内言とは,発声を伴わない脳内での思考のための道具としての利用している.それは述語中心の構造をとり,圧縮や省略が多く,単語同士が非文法的に結合ことを特徴とされている. 当該年度は,音声データについて,日常生活の長時間記録を1日8時間程度行なった.このときの一人でオフィスワークなどを行っているときの会話ではない発声を分析し,癖,独り言などを抽出行った結果,個人差はあるものの心理負荷の状況に応じて独り言の割合が増えるのではないかという傾向が見られた.つまり,心理負荷の状況の検出に独り言が使えないかについて検討を行った.その結果,心理的負荷に伴って,内言が独り言として発生されていくモデルを設計し,実際に4桁から10桁までの数字を覚えさせる課題によって,心理負荷の状況を変化させて,その状況と独り言の相関を解析する実験を行った.その結果,心理負荷に比例する形で独り言の出現率が増すことがわかり,モデルについて一定の妥当性があることを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は目的を実現するために,どのようなタイミングでサポートを施すべきか,その方法論について検討を行った.また,文献調査の結果,内言についてそれと同等の音声を合成する手法についての文献があったことから,その実装と組み合わせによって当該研究のゴールまでのマイルストンを描くことができた.
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今後の研究の推進方策 |
音声の計測によって,心理負荷と独り言の相関性がわかり,どのようなタイミングで介入すべきかについて推定の可能性を示した.そこで,これらのデータをもとに機械学習を行い,介入のタイミングと内容を決定するシステムを構築する.特に,判断に迷っている状況など短時間強制2択的な意識的判断に対応できそうな要素を明らかとし,また,個人ごとにどの程度の差があるかなどを明確化する.介入については,マイクで録音した発声が頭の中の自分の声(内言)ように聞こえないことから,ユーザが実際に頭のなかで聞こえている自分の声を同定する必要がある.この方法論について,過去の研究において同定を試みた前例を見つけたため,この手法を実装することで,ユーザの肉声から,頭の中の自分の声に近くに知覚されることを確認する実験を行う.さらに,この疑似内言による介入を行うことによる効果について,初歩的な実験を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度では,心理的負荷の実験を中心としたため,擬似内言を生成するための頭部伝達関数に関する解析システムなどの導入を今年度にずらすことになったため,購入予定の機材について導入予定が今年度にずれ込んだ.今年度は,擬似内言を生成するためのシステムについて導入する.
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