研究課題/領域番号 |
18K04073
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研究機関 | 沖縄工業高等専門学校 |
研究代表者 |
武村 史朗 沖縄工業高等専門学校, 機械システム工学科, 教授 (70455187)
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研究分担者 |
坂上 憲光 東海大学, 海洋学部, 准教授 (20373102)
高橋 悟 香川大学, 創造工学部, 教授 (50297579)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 水中ロボット / 曳航型 / 海底3D地図 |
研究実績の概要 |
曳航型水中ロボットを用いた浅海域における海底3D地図作成の高速・広域化の手法を確立することを目的とする.既に曳航型でない操縦型・自律型水中ロボット(ROV, AUV)を用いた海底3D地図作成の事例はある.しかし,従来の水中ロボットでは,広範囲のデータ取得には時間がかかり,一度の調査範囲は狭くなる.小型船による曳航型ロボットは,一般的な水中ロボットより速く,データ量も短時間で多く取得できる.一方,高速運動する曳航型水中ロボットの実現には深度維持・姿勢維持などの各種制御技術の実装やカメラの取付位置の最適化等が重要な技術課題となる.これらの課題に取り組み,海底3D地形情報を短時間に入手する手法を開発し,海洋立国日本の沿岸利用に大きく貢献するものである.今年度は以下の研究実施計画を行なった. ・曳航型水中ロボットの曳航速度一定化での横波影響の低減検証 これまでの海実験では,横波の影響により,曳航型水中ロボットのロール角が90度ほど姿勢変化することがあった.安定した曳航には,曳航型水中ロボットのロール角の姿勢変化を押さえる必要がある.そこで,曳航型水中ロボットの下部に垂直尾翼を追加するとともに,重心を下げる改善を施した.その効果により,今年度の海実験では,これまでの横波影響の低減が図られ,ロール角の姿勢変化が押さえられた.曳航速度は最大1.52 [m/s],最大深度約6 [m] で海実験を行なうことができた. ・カメラ・光源の最適は位置の検討 単眼カメラ一つでも3D地図作成は可能であるが,一回の曳航で作成できる3D地図の精度や広域化を考えるとマルチカメラシステムに優位性があると考え,マルチカメラシステムを採用している.曳航型水中ロボットの先端にマルチカメラシステムを搭載し,単眼カメラ一つより,マルチカメラシステムの方が,広域の3D地図作成が可能となることを海実験により確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の研究実施計画は100%達成している.
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今後の研究の推進方策 |
本年度(~2020年3月31日)の研究実施計画 ・曳航型水中ロボットの各種制御則の検討(研究代表者 武村) 前年度までに開発した曳航型水中ロボットの姿勢維持制御・深度維持制御・高度維持制御が可能となるように各種センサの実装を行なう.これらのセンサデータを元にして,どのような制御が可能となるか,の検討を行なっていく. ・海底3D地図作成の処理手順の検討 海底3D地図の手順の簡略化について,精度・作業効率・広域化の観点から検討を行なっていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度で使用する物品はすでに購入できていた.そのため,次年度以降の予算に使用することにした.
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