研究課題/領域番号 |
18K04077
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
田口 健治 北見工業大学, 工学部, 准教授 (60435485)
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研究分担者 |
柏 達也 北見工業大学, 工学部, 教授 (30211155)
平田 晃正 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00335374)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 中間周波帯 / 人体ばく露 / 安全性評価 / 国際標準化 / 3次元電磁界解析 |
研究実績の概要 |
H30年度は「3次元電磁界解析に基づく中間周波帯の人体ばく露安全評価と国際標準化」として、以下の研究を行った。 1)人体数値モデルの高精度化:低周波から中間周波では人体組織の導電率が高くなり、3次元人体電磁界解析では人体モデルの端部による誤差(金属特異点)が生じやすくなる。本研究では、この問題に対応すべく以下の2つの高精度化法について検討した。 a)高精度人体ボクセルモデルの構築:表面サーフェイスモデルを介してボクセルモデル表面を平滑化するアルゴリズムを開発し、低解像度ボクセルモデルから高解像度ボクセルモデルを生成可能にする手法を確立した。本技術はボクセルモデルを用いる全解析手法に有効である。 b)SPFD法へのサブグリッド法適用:サブグリッド法では高解像度ボクセルモデルを用いてモデル表面における電気定数を平滑化することにより、低解像度ボクセルモデルにおいても計算精度を保ちつつ計算コストを低減することが可能になる。本研究では準静電磁界解析手法であるSPFD法にサブグリッド法を適用し、中間周波帯ばく露解析における本技術の有効性をはじめて示した。 2)中間周波帯における人体ばく露安全性評価:中間周波数帯(100kHz~100MHz)におけるICNIRP及びIEEEガイドラインの全身及び10g平均SARの制限値は同一だが、それに対する外部電磁界強度レベルは大きく異なる。解剖学的人体数値モデルによる高精度な解析が可能になった昨今、国際的ガイドライン統一ためにこれらの関係性を再検証する必要がある。本研究では、複数の異なる電磁界数値解析手法及び人体モデルを用いた相互比較を実施した。その結果、両ガイドラインの外部電界強度レベルはいずれもSAR制限を満足するが、ICNIRPガイドラインではより保守的、一方IEEE規格では30MHz以下において僅かな不一致があることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際共同研究の関係のため、中間周波数における各種電磁界手法を用いたSARと外部電磁界強度関係性の解明に関する数値解析を前倒しで実施したが、概ね研究計画通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
精緻な人体モデルを用いて、準静近似による解析手法、全電磁界解析手法から得られた体内誘導量の比較を行う。特に、複数種類の既存人体モデルを昨年度開発したアルゴリズムで高精度化し、モデル毎の体内誘導電界(2mm立方体)のばらつきについて検討を進める予定である。
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