研究課題
令和2年度は,コロナウィルス感染対策の影響もあり,昨年度以上に,進捗が遅れた。今年度は,まず,三相3線入力三相4線出力マトリックスコンバータを用いた系統電圧不平衡補償の実験により,三相3線入力三相4線出力マトリックスコンバータを用いれば,不平衡電圧を発生して電圧補償を行えることを示した。その成果については2020年度第73回連合大会電気・情報関係学会九州支部連合大会にて発表した。さらに,三相3線入力三相4線出力マトリックスコンバータにおいて不平衡電圧を出力する必要がない場合,4線目のスイッチングを停止することによって出力電圧の高調波ひずみおよび不必要なスイッチング損失を抑える「部分スイッチング法」の有効性を実験により示した。この「部分スイッチング法」は一昨年度,提案し,シミュレーションによってその動作を確認していたものである。「部分スイッチング法」の実験結果についても,2020年度第73回連合大会電気・情報関係学会九州支部連合大会にて発表した。その後,位相が調整できる電源2台と系統インピーダンスを模擬するインダクタ,抵抗等を用いて模擬系統を組み,これに「三相3線並列部三相4線直列部を持つマトリックスコンバータ方式統合電力潮流制御装置(UPFC)」を接続し,電力調整の実験を試みたが,フィルタ部分の共振による過電流のために装置が故障し,現在もこの修理とフィルタ部分の共振対策を続けている。この対応が終わり次第,提案の「三相3線並列部三相4線直列部を持つマトリックスコンバータ方式統合電力潮流制御装置」を模擬系統に接続した状態での実験の続きを行い,その効果を確認する予定である。
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2020年度 第73回連合大会 電気・情報関係学会九州支部連合大会講演論文集
巻: 01-2A-10 ページ: 272, 273
巻: 01-2A-09 ページ: 270, 271