研究課題/領域番号 |
18K04088
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研究機関 | 新潟工科大学 |
研究代表者 |
今田 剛 新潟工科大学, 工学部, 教授 (60262466)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 電子ビーム / パルスパワー / 汚染土壌 / 有害物処理 / 揮発性有機化合物 |
研究実績の概要 |
PIREB(Pulsed,Intense Relativistic Electron Beam、パルス大強度相対論的電子ビーム)の照射による土壌中のVOC(Volatile Organic Compaund、揮発性有機化合物)の処理にかかる基礎特性の解明を試みた。昨年度に設計および製作を行った処理チャンバに本年度に整備したVOCガス検知器を接続して、処理実験に対する比較対象データとするために、PIREB照射がない場合でのホルムアルデヒド濃度の時間推移を検証した。まず、処理チャンバのパッシベーションおよびシステムの校正を兼ねて土壌試料をチャンバ内に装填せずに空気雰囲気にホルムアルデヒドを拡散させた状態でのホルムアルデヒド濃度を計測した結果、正常にガス濃度を計測できることが確認された。つぎに、PIREB照射実験と同条件(照射間隔10分で積算照射回数30回)に相当する300分の時間において、ホルムアルデヒド濃度の下降や上昇などの変化がないことがわかった。また、当該時間経過後の土壌試料の水分量にも大きな変化のないことが確認された。この際、電子ビーム電流測定用として処理チャンバに内蔵されているロゴスキーコイルにはガスや土壌試料の影響がなく、正常な電気特性であることも確認された。 PIREB照射に起因する制動エックス線を計測するための検知フィルムの処理チャンバでの貼付場所について、フィルムの有効利用のために適切な貼付場所をエックス線発生のシミュレーションから検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度のパルス相対論的電子ビーム発生装置のマシントラブルにより、今年度もマシンタイムの割り当てが限定的となっている。 また、新型コロナウイルスによる国際的な生産や物流等の滞りによりエックス線検知フィルムの納期が遅れて、実際の計測には至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究最終年度であり、実験条件等を精査して、確実に成果を得るために必要十分な内容に絞り研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスよる生産や国際物流の遅れによりエックス線検知フィルム(約9万円)の納期が遅れて次年度使用額が出たが、当該物品は4月に納品されている。また、マシンタイムの制限より、消耗品費や旅費が当初見込みより少なくなった。 上記のフィルムが納品されたことを勘案すると実質の次年度使用額は些少であり、最終年度の各支出に適宜、充当する。
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