| 研究課題/領域番号 |
18K04091
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| 研究機関 | 同志社大学 |
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研究代表者 |
井上 馨 同志社大学, 理工学部, 教授 (60343662)
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| 研究分担者 |
加藤 利次 同志社大学, 理工学部, 教授 (40148375)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | 損失マップ / 最適軌道 / 風損 / 鉄損 / モータ |
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| 研究実績の概要 |
本年度の研究の目的は，電動車両（電気自動車，鉄道，無人搬送車，などのモータを用いて走行する車両）の自動走行もしくは走行アシストにおいて，各種の駆動条件（時間，速度，移動距離，ジャーク，など）を満足しつつ，各種の走行抵抗（空気抵抗，ころがり抵抗，勾配抵抗）や減衰を考慮した，省エネルギー最適軌道（速度，移動距離，モータトルク，などの時間波形）を求めることにある。
そのためにまず，これまでに提案した電動機の回転速度－トルクの二次元マップより最適軌道を導出する方法を発展させるために，空気抵抗による風損を考慮した損失マップの表現方法について検討を行った。車両の走行状態における風損を実測することは困難であるため，実測で測定したモータ単体の損失データに車両モデルによる風損計算結果を足し合わせることで，様々な車両形状の風損を考慮可能な損失マップを用意して，軌道の設計を行いその妥当性を検証した。
本手法では軌道計算に数値的方法を用いているため，計算時間がかかる問題点がある。そこで，変分法による解析的手法を様々な動作点に用い，それらの軌道を滑らかに接続することで，短時間で目的の軌道を生成する手法について検討をおこなった。この際，モータの鉄損が動作点によって変化するため，この特性も加味した軌道設計を行った。具体的には，モータの損失データから機械損，銅損，鉄損に分離し，対象モータの鉄損の回転速度ートルク特性を明らかにして，各動作点における軌道生成にフィードバックした。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた各種の走行抵抗（空気抵抗，ころがり抵抗，勾配抵抗）や減衰を考慮した，省エネルギー最適軌道（速度，移動距離，モータトルク，などの時間波形）の導出において，空気抵抗の考慮を行った。転がり抵抗と勾配抵抗については次年度に考慮する予定である。また，次年度にかけて検討を行う予定であった，非線形な特性を加味して最適化を行う場合の動作点近傍で線形化して軌道を求める方法については，動作点を増やすと解くべき方程式の数が増大し，結果として計算時間が長くなるため，解析的手法である変分原理を各動作点に適用し，各動作点毎の解軌道をなめらかに接続する方法についても検討した。このように，研究の進展上，一部を次年度にまわし，次年度に予定していた内容の一部を今年度に行っており，おおむね順調に進展していると考えている。
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| 今後の研究の推進方策 |
負荷特性を考慮した軌道生成を行う場合や，鉄損などの非線形な特性を加味して最適化を行う場合には，動作点近傍で線形化して軌道を求める方法が考えられるが，動作点を増やすと解くべき方程式の数が増大し，結果として計算時間が長くなる。そこで，遺伝的アルゴリズム(GA)などを応用して，効率的に軌道を求める方法の検討を行う。一方で，解析的手法である変分原理を各動作点に適用し，各動作点毎の解軌道をなめらかに接続する方法についても引き続き検討を行う。
以上の内容を進めることで，最適軌道に基づく駆動制御法が電動車両の自動走行・走行アシストにおいて，省エネルギー性や計算効率性の面で有用であるかの検証を進める。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスによる学会や研究集会の中止のため。次年度に開催される学会や研究集会に参加して，研究成果発表や情報収集を行う予定。
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