研究課題/領域番号 |
18K04112
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
藤崎 敬介 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80373869)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | コア損 / SiCインバータ / 埋め込み式同期モータ / 正弦波励磁 / アモルファス / ナノ結晶材 |
研究実績の概要 |
モータコア損の損失特性として、材料特性、インバータ励磁によるコア損増加、モータ形状によるコア損増加、が考えられる。今回、まず本研究の主要課題であるモータコア損の正弦波励磁とインバータ励磁との比較検討を行った。 モータコア材としては、従来のNO材(無方向性電磁鋼板、鋼板厚み350μm)だけではなく、低鉄損なアモルファス材(結晶粒なし、鋼板厚み25μm)、さらにはナノ結晶材(アモルファス材内に結晶粒径30 nm程度のα鉄析出、鋼板厚み18μm)を用いたモータに対しても計測を行った。 その結果、モータコア損は、インバータ励磁よりも正弦波励磁のほうが、半分から3割程度までに減少した。インバータが発生する高調波成分によるコア損増加が顕著であることが分かる。特に、NO材モータよりも、アモルファス材モータ及びナノ結晶材モータのほうが、コア損の低減代が大きかった。NO材と比べて、アモルファス材やナノ結晶材は、極薄で高抵抗であるために、インバータ励磁による高調波による渦電流損の増加が抑制されたものといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の主要課題であるモータコア損の正弦波励磁とインバータ励磁との比較検討を行った。モータコア材としては、従来のNO材(無方向性電磁鋼板)だけではなく、低鉄損なアモルファス材、さらにはナノ結晶材を用いたモータに対しても計測を行った。その結果、モータコア損は、インバータ励磁よりも正弦波励磁のほうが、半分から3割程度までに減少した。インバータが発生する高調波成分によるコア損増加が顕著であることが分かる。特に、NO材モータよりも、アモルファス材モータ及びナノ結晶材モータのほうが、コア損の低減代が大きかった。NO材と比べて、アモルファス材やナノ結晶材は、極薄で高抵抗であるために、インバータ励磁による高調波による渦電流損の増加が抑制されたものといえる。
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今後の研究の推進方策 |
コア損特性の解明として、リング試料での計測を行い、インバータ励磁によるコア損増加と、モータ形状によるコア損増加との関係を明らかにする。併せて、インバータ励磁の種類による違いについても検討を進め、数値解析をも併用し、その増加割合の解明に臨む。
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次年度使用額が生じた理由 |
電源の種類を増やし比較検討をするため、電源はリニアアンプ電源から高応答電源に変更して購入した。 次年度は、研究補助者を増員した上で、購入した電源を使用してさらなる比較検討を進めることする。
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